131216_北口大輔チェロコンサート 珈琲美美2013/12/16

2013年12月16日(月) 19:00~ 会場:珈琲美美

Kleine Lichte 音楽会 Vol.6
北口大輔チェロコンサート

■ J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009
■ J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
        ほか

25名〆切



この「ほか」が、どれだけ驚異的なものであったのか、
詳しく報告できる力は、
ワタシには、アリマセン。


いつもより幾分客席がゆったりしているのは、
同時刻に大きなホールで催されている「メサイア」公演のせいなのでしょうネ。
ご店主の挨拶の後、拍手に迎えられて北口氏入場、
すぐにバッハ無伴奏第3番の演奏が始まります。

最初のうちこそ、「そんなに急いでどこへ行く」
などと思いながら聴いてましたが、
慣れてくるものですねぇ、
最後のジーグ、見事な「脚さばき」のダンスに驚嘆してしまいます。

続けて、その「ほか」の演奏。それは、
■ プロコフィエフ:無伴奏チェロ・ソナタ op.134(未完:Vladimir Blok補筆版)

演奏の前に北口氏の丁寧な解説が入ります。
ロストロポーヴィチとの関係、ショスタコーヴィチとの関係、
単一楽章しか存在しない曲だけれども、弾くたびに次の楽章を期待してしまうこと、
などなど・・・
そして演奏された10分ほどの曲は、
熱と力をぎゅーっと圧縮して爆発させたような曲でした!
こういう曲、もっと演奏されてもいいと思うんだけど、
知らない名前の作曲家名を出すだけでチケットが売れなくなるんじゃ、
しょうがないし・・・

休憩の後、バッハの第4番。
ここでも演奏前に、北口氏の詳しい解説が入ります。
譜例演奏を交えながら、熱の入った講演です。
現在北口氏が使用しているのはブライトコプフ版(2000年?)だそうで、
「無伴奏ヴァイオリン6曲の自筆譜とアンナ・マグダレーナ筆写譜の比較から
癖や間違いの傾向を考察して」音楽学者によって作られたものだとか。
第3番で感じた「違和感」は、こういう事かもしれない・・・

その後、第4番の演奏へ。
前半とはケタ違いに楽器が鳴るのに驚きます。
楽器の温まり具合なのか、演奏者の緊張なのか、
聴き手の耳の慣れの問題なのか・・・
演奏会、前半だけで帰っちゃいけませんねぇ・・・(反省・・・)

アンコールは3曲、大盤振る舞いデ~ス!
プロコフィエフのマーチ (「3つのオレンジへの恋」かな?)
バッハ無伴奏第6番のカヴォット (だっけ?)
最後に Mark Summer の Julie-O (だっけ? フィンガー・ピックの入るアレです!)
でした。

それにしても、こういう小人数の集まり、実に楽しい!
演奏者が、マイクなしで、普通にしゃべれて、
参加者全員がそれを普通に聴き取れる範囲の演奏会場というのは、
贅沢の極みではないかと思います。
主催する側から見れば、とても採算の合うものではないのでしょうが、
無理のいかない範囲で続けていただければ、こんな嬉しいことは無いと
感謝、感謝、でアリマス。

さて、珈琲美美のコンサート、
楽しみは音楽だけではないのです。

そう、プログラムノートに載る、N.Ohashi氏の文章、
(これが楽しみで通ってしまうのは、ワタシだけではないハズ・・・)
今回も、あまりに見事なので、お願いして転載許可をいただきました。

「鶴田浩二」・・・  泣けるぜぃ・・・・

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