151228_鈴木優人クラヴィコード演奏会@珈琲美美2015/12/29

2015年12月28日(月)開場 19:00 開演 19:30  会場:珈琲美美
                                                                             (福岡市中央区赤坂2-6-27)
鈴木優人クラヴィコード演奏会


受付けで渡されたプログラムーノートはA4版1枚、以下の記述でありました。

Masato Suzuki Clavichord Recital

At Café Bimi

19.30.Monday 28 December 2015

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Johann Sebastian Bach     Praeludium und Fuge C-Dur BWV 846

                         aus dem "Wohltempierte Klavier I"


Carl Phillip Emanuel Bach  Wüttemberg Sonata 1 a-Moll Wq.49-1

                     Moderato - Andante - Allegro assai


Johann Sebastian Bach     Französische Suite 1 d-Moll BWV 812

                    Allemande - Courante - Sarabande - Menuet I/II - Gigue


Wolfgang Amadeus Mozart  Sonate für Klavier uind Violine D-Dur KV 7

                    Allegro molto - Adagio - Menuet I/II


Johann Sebastian Bach     Praeludium und Fuge es/dis-Moll BWV 853


Domenico Scarlatti        Sonata 13 "Allegrissimo" Re maggiore K.96


Violin: Mamiko Kodate

Clavichord: Masato Suzuki


Special thanks to Prof.Michya Azumi for his kind permission to use his instrument.



階段を上ると、すでに多くの方が席についていらっしゃる。
正面には今夜のメインとなる楽器、クラヴィコードが燦然と・・・
近寄って舐めるように観察、繊細な構造・・・

この楽器のCDを買うと、必ず注意書きがあります。
「決して音量を上げすぎてはいけません!」!!!

初めてナマで聴くこの楽器、期待は高まります。
前のめりに走りがちな気持ちを、
デミタスで供される珈琲で落ち着かせるでアリマス。

ご亭主の挨拶と紹介で、鈴木氏登場、
いよいよ、はじまるデス!
バッハの平均律(1)の第1曲から・・・

音、ちっさ・・・

予想を超える音の小ささに愕然。
「エレキギターを、アンプのスイッチ切って弾いたぐらいの音」って聞いてたけど、
そんなものではない。
「かそけき音」というのは、これくらい? というくらいのかすかな音に耳をすまします。
前の通りを走る車の排気音が爆音に聴こえる・・・

ところが、です。

ところが、時間がたつにつれて、
徐々に、徐々に、
繊細な響きが聴き取れるようになってくるデスよ!
「フランス組曲」のサラバンドに差し掛かったところで、
ガタガタっと地震が来たりしたんですが、
その後ぐらいからでしょうか、

響きの陰影の深さが、聴き取れるようになってくるデス!


こうなると、しだいに見えてくる・・・
なんという世界・・・!!!

驚愕するのは、
演奏終了後に起こる拍手です!
突然後ろから罵声を浴びてド突き回されたような衝撃で、
倒れ込みそうになります。
極端に耳の感度が上がってるんですね。
年取って聴覚は悪化の一方だと思い込んでましたが、
そうか、年寄りの耳も、なかなか、捨てたモンじゃない。

途中、ヴァイオリンの古館麻美子氏が加わって、
モーツァルト初期のヴァイオリンとクラヴィアのための曲が演奏されます。
ヴァイオリンは弱音器を付けて、なるだけ音の大きさを控える演奏、
それでも音量差は歴然。
ただ、そういう状態でも、クラヴィコードの動きはキチンと届いてくるんです。

続いてバッハの平均律(1)から変ホ短調、これはうれしかった!
ロシアのアニメーション「話の話」での使われ方も非常に印象的でした。
そこで使われていたのはリヒテルの録音でしたが、
この曲をクラヴィコードで聴けるとは!

じわり、じわりと、沁みこんで来る・・・

最後はスカルラッティの 「アレグリッシモ」で、華やかに締めくくり。(鮮やか!)
アンコールは バッハ=グノーのアヴェマリア(ヴァイオリンとともに)、でした。

演奏会終了後も、楽器を囲んで聴衆たちの熱い話が続きます。
みなさん、やっぱ、衝撃が大きかったみたいですね。

今夜のクラヴィコ-ドは西南学院音楽主事・安積道也氏の持ち物なのだそうです。
一般会場では聴く事のできない楽器ですが、その衝撃力と魅力は計り知れない。
安積氏の演奏するクラヴィコードも、是非、聴いてみたい。
なんとか、次の演奏会が実現することを、心から祈って止みません。

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