180206_フォルジュルネ2018ナント オンデマンド音源2018/02/06

Concerts Folle Journée de Nantes
   ( la salle Vladimir Nabokov )
2018/02/03 生放送分 オンデマンド音源


https://www.francemusique.fr/programmes/2018-02-03
       09:00~22:00

09:00 アンヌ・ケフェレック
    バッハ、スカルラッティ、ヘンデル

10:45 Ensemble Olivier Messiaen
    四重奏

12:30 トリオ・ヴァンダラー
    ドヴォルザーク、ブロッホ

14:00 ネルソン・ゲルナー
    ショパン

15:30 Raphaël Sévère, J-F・ヌーブルジェ、モジリアーニ弦楽四重奏団
    プロコフィエフ、コルンゴルド

17:15 クレメラータ・バルティカ
    ベートーヴェン、カンチェリ

18:45 ボリス・ベレゾフスキー
    スクリャービン、ラフマニノフ

20:45 Yom & le Quatuor IXI 


180210_王に捧げる音楽2018/02/13

2018年02月10日(土) 16:00~ 会場:あいれふホール

王に捧げる音楽

寺神戸亮(バロック・ヴァイオリン)
前田りり子(バロック・フルート)
上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ、トレブル・ガンバ)
曽根麻矢子(チェンバロ)

■ F・クープラン:王宮のコンセール第3番
■ J.S.バッハ:音楽の捧げもの(全曲) BWV1079

少し前、「題名のない音楽会」に鈴木優人氏が登場した時、
バッハの有名な肖像画の手元に掲げている楽譜を解説する回がありました。
今夜の寺神戸氏のお話、その時の「あ、なるほど!そういう事!」を上回る、
詳細なものでした。

いやぁ、おもしろかったぁ!


会場には開演間際に到着、ほぼ空席ナシ。
結局、補助椅子まで全て埋まるという、大盛況でした。


コンサートは まずは クープランのコンセールから。

続くバッハは途中休憩をはさみながらの演奏、
ステージ前面にファクシミリ版の楽譜が広げられています。

フリードリッヒ大王を訪問した際の即興演奏と、
その際のテーマをもとに作曲献呈されたこの曲が
どういう構造で出来ているのか、
1曲ごとに寺神戸氏の解説を挟みながらの演奏です。

まずは、王の前で演奏された形に近い(と思われる)「3声のリチェルカーレ」

休憩をはさんだ次のパートは
「王の命令による楽曲、およびカノン技法で解決せられる ほかの曲」
 Regis Iusu Cantio Et Reliqua Canonica Arte Resoluta 、で R・I・C・E・R・C・A・R (!)

ここでは、王の主題による各種のカノンが、
それこそ、前から後ろから、上から下から、
1周ごとに全音高くなってゆくもの、引き延ばされるもの、
万華鏡のような展開です。

そして登場するのが、
大王訪問の際、王の要請に応えきれなかったものの完成形、
「6声のリチェルカーレ」(曽根氏のソロでした)

続くパートは、なぞなぞ、
<「求めよ、さらば見出さん」 謎の解決策は演奏者にゆだねられる>
これは、演奏方法が指示されていない2曲、
2声の謎のカノン(この日は2小節半遅れとのこと)
4声の謎のカノン(この日は8小節遅れとのこと)

そして、最後はお楽しみ、
トリオ・ソナタ
無限カノン

つまり、この作品、
王の要請に応えて、
考え抜かれ、技を凝らし、
遊びを散りばめ、入念に磨き上げられた、
すこぶる精緻な「工芸品」、
「音」の「楽しみ」の結晶であった、という事に
ようやく気がつくワタクシでありました。

大きな拍手のあと、
アンコールには 再び6声のリチェルカーレが、
今回は声部を分担、4人全員で演奏されました。

今回のコンサート、十八世紀音楽祭協会打ち上げに向けての第1回、でした。
次の第2回で、いよいよ協会解散との事、
地元に居ながら音楽界の先端を独自のルートとプログラムで聴かせてくれた
ワタシのように地元から出ることはないものには願ってもない組織でした。
長年のご活躍に、感謝、感謝でアリマス。

さて、それに続く、次の新しい芽は
はたして、育っているのでしょうか・・・


十八世紀音楽祭協会HP
http://www2.odn.ne.jp/~cco69970/index.html/