210325_第15回 楽興の時 室内楽演奏会2021/03/26

2021年03月25日(木) 18:00開演  会場:末永文化センター

第15回 楽興の時 室内楽演奏会

【プログラム・演奏者】

■ R.シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44
Vn/篠崎史紀  杉山和駿
Va/榎本知香
Vc/原田哲男
Pf/古澤晃希(1,2楽章) 木山信明(3,4楽章)

----- 15分空気入れ替え -----

■ A.ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 作品81
Vn/篠崎史紀 北川琴葉
Va/猿渡友美恵
Vc/原田哲男
Pf/樋口 真弥子(1,2楽章) 松浦かれん(3,4楽章)

----- 15分空気入れ替え -----

■ J.ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34
Vn/篠崎史紀  杉山和駿
Va/井上麗香
Vc/原田哲男
Pf/前田紗希(1,2楽章) 谷口雄紀(3,4楽章)


ピアノ五重奏曲で最人気の3曲。
篠崎史紀氏と原田哲男氏は3曲連続で登場、
あと猿渡友美恵氏がDvorakで参加する以外は、セミナー参加者 ということかな?


天神からのバスは大渋滞、
「緊急事態宣言解除」とはいえ、この混み方、本当に大丈夫なんか?
ブツクサほざいているうちに、開演時間オーバーで会場到着、
かろうじて、滑り込みセーフ、という慌ただしさで聴き始めます。

シューマンとドヴォルザークの2曲、
録音されたものを聴くと、なんか音程がゾワゾワッとするものが多くて、
ついつい、敬遠しがちなんですが、
こうしてナマで聴くと、スルスルッと聴けてしまうのが不思議です。
(ウチの再生装置の問題か?)

さらに、「あ、ここはこういう展開とバランスなのか」という気付きの場面も多く、
興味深く聴き進みます。


さて、最終曲はブラームス、
お目当ては、谷口雄紀氏のピアノ演奏でしたが、
これが、まあ、予想を上回る快演。

谷口氏のピアノ、ソロ演奏を2回ほど聴きましたが、
その度に「いいピアニストだ」と感心しておりましたが、
アンサンブル演奏に、ここまで驚かされてしまうとは・・・

優秀なサッカー選手は、なぜ、あのように的確な場所にボールを運べるのか、
という解説で、こういう話がありました。
優秀な(スポーツ)選手というのは、上空から全体を俯瞰する「眼」を持っていて、
常に全体の動きを把握出来ているので、
わずかなスキを見つけて、万全のタイミングでピンポイントに球を運べるのだ、
という話でした。

この、「俯瞰的な眼」、
今夜の谷口氏の演奏、それだったように思います。

第3楽章の「嵐」の中、荒れすぎることなく裏で支え続け、
第4楽章、各楽器ソロとの流麗な対話、
ますます興奮し続ける音楽を、冷静に見据えつつ、
全体を圧倒的フィナーレに導いてゆく、「力」。

「何回か聴いて良かったからって、我田引水がひどすぎねーか!?」
という、あなたのご意見、もっともだと思います。
何か月も生演奏から遠ざかっていたわけで、
自分でも、過分な興奮状態であるような気は、正直、いたしております。

ただ、この「俯瞰的な眼」、
今まで、あまり経験したことのない感覚だったものですから、
こういう時は、思いっきり派手に興奮しておこうではないか、
行く末も長くはないことだし、
と、年寄りなりに思ったわけでございまして、はい。

もう一人、忘れてはいけない人が居ます。
息を切らせて会場になだれ込んだ時、
「ん?なんで「濱家」が?」と思ったのは、ヴァイオリンの杉山和駿氏でした。
途中、出演者紹介を読むまで、この方は講師なのだと思い込んでおりました。
それほど堂々たる態度、見事な演奏であったわけです。
藝大4年在学中とのこと、今後の活躍が楽しみです。