190331_オルガン維持のためのチャリティーコンサート2019/03/31


2019年3月31日(日) 16:00~ 会場:日本福音ルーテル博多教会

オルガン維持のためのチャリティーコンサート
OLIVIER MESSIAEN 「時の終わりのための四重奏曲」


■ J.S.バッハ:Fantasia c-moll BWV562
   古賀智子(オルガン)
■ O.メシアン:「時の終わりのための四重奏曲」
   荒牧清香(Vn)荒牧有未翔(Vc)
   窪田脩子(Pf) 高島一路(Cl)


しばらく続いた桜陽気も、一転厳しい寒気の戻りでした。
それでも昼間、日の当たる場所は暖かい。
この礼拝堂にも、時折差し込む陽光、
堂内、ゆっくりと光に包まれます

メシアンの四重奏、たしかに生で聴く機会はあまりありません。
(響ホールで聴いた時は、豪華なメンバーだったけど・・・)
ライヴ録音されたラジオ放送を聴いても、
まあ、これといって記憶に残っているものもないわけで、

ところが、本日の演奏、グイグイ引き込まれてしまったのは、
この会場と、その聴衆の皆さんのおかげだったように思います。

この「オルガン維持のためのチャリティーコンサート」、
毎年秋に行われているそうですが、今年は復活節に合わせて
この時期と曲目を選ばれたとの事、穏やかな牧師のご挨拶でした。

演奏は、まずバッハのオルガン曲から、
小ぶりなパイプオルガンは先日の西南学院のものとほぼ同じサイズですが、
実に豊かな響きでした。(特に持続低音の響きが素晴らしい)

続いて、メシアン。
演奏の前に高島氏から長い解説が始まります。
ようやく終わったところで、演奏者入場、演奏開始です。

正直なところ、あまり期待をしてはいなかったのですが、
グイグイと引きつけられてゆきます。
この会場、いやな響きが全く感じられない。

外部からの音は、かなり大きい。
桜満開の晴れた日曜日の午後ですから、
頭上をプロペラ飛行機の爆音が通りすぎたり、
近くの公園のロック演奏も漏れ聞こえてくるんですが、
演奏は、これが、ビクともしない!
3曲目、全編クラリネットのソロですが、
聞こえてくるエレキギターの音とクラリネット・ソロが両立状態、
春霞にゆれる、夢のような ひと時でした。

聴衆のほとんどは、この教会の信者さん達のようでしたが、
望ましい聴衆とはこういう方々の事なんでしょうね、
じつに穏やかです。
子供たちだって退屈になれば、ムズかることはない、
素直に退出して外で遊んでます。

傾き始めた太陽が、祭壇奥のステンドグラスに光を落とすと
鮮やかな光跡が祭壇を飾ります。
会堂をゆっくりと登ってゆくヴァイオリンの響きとピアノの鐘の音、
やがて静かに消え去り、長い沈黙・・・

拍手に応える演奏者たちの顔、最後の挨拶をする牧師、
みんな、ひかりかがやいておりましたデス。