141229_下野竜也氏による指揮者講習会2014/12/31

2014年12月29日(月) 10:00〜18:00   会場: 末永文化センター

下野竜也氏による指揮者講習会
曲目: ベートーヴェン/交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」


聴講料:2,000円

何年ぶりかで、下野氏の至芸を堪能してきました。

朝10時から夕方6時まで長時間にわたる講習、
その間延々と弾き続けるオケを疲れさせないように、
聴講者を飽きさせないように、
あらゆる手を使って、気分のリフレッシュが図られます。

下ネタあり、ギャグあり、モノマネあり、かぶりモノあり。
それでもダレ気味になると、自ら指揮して
オケのフラストレーションを吹き飛ばしにかかります。
これがまあ、見事な音で鳴るんですヮ、じっさい。

このホール、九響のリハーサルに使われているわけですが、
密度の高い、輝かしく満ち満ちた響きが聴けます。
講習会のオケは、各地のアマチュアオケのメンバーたちですが、
生き生きと、気合のこもった音を聴かせてくれるのです。
(コンサートマスターは、例年通り、後藤龍伸氏)

受講生は、以前からおなじみの方が多いようですが、
今年はプロオケの奏者の方が5人(?)ほど参加されておりました。
指揮台に立つ時以外はオケの一員として演奏なさるわけで、
この方々のソロ場面も聴き所になるわけです。

で、この方々が指揮台に立たれる時には、
下野氏から簡単な経歴が紹介されるわけですが、
演奏が始まると、オケの響きが一変します。

長年の経験で、「指揮」というものを熟知されているからなのか、
指揮者の背後に「長年の経験」を描き見ているオケ・メンバーの心情のせいなのか、
これは、見事に、音が変わります。
「指揮者」という「謎」の一部分でしょうかね。

こういう講習を受ける機会を得られるのは本当に幸せだと思う。
自分のどこが問題なのか、明確に指摘される機会というのは、そう多くは、ない。
その指摘を理解することができれば、変われる。
その指摘を理解できなければ、変われない。

なかなかにキビシイ場所でアリマス。

この催し、引地さんという方個人の発案、計画、実行という形で開催されています。
余計な雑音を混ぜたくない、というのがその理由だと伺ったように記憶しています。

実に良い仕事を、自身楽しみながら、平然と、やっておられる。

感服いたします。