141112_河村典子(ヴァイオリン)+深町信秀(リュート)コンサート2014/11/13

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2014年11月12日(水) 19:30~ 会場:珈琲美美

ヴァイオリンとリュートで奏でる「時」の響き
河村典子(ヴァイオリン)+深町信秀(リュート)コンサート


第1部 ルネサンス舞曲や各国の歌曲

■ 作者不詳:Bosquel 森
■ J.Barbireau(蘭):Enfrolyk weson たのしい歌
■ C.de Sermisy(仏):Tant que vivray 花咲く日々

■ G.Caccini(伊):Amarilli, mia bella  アマリリ麗し
■ J.Dowland(英):Flow my tears  流れよ、わが涙
■ E.Moulinie(仏):Concert de differents oyseaux  様々な鳥たちの合奏
■ 弘田龍太郎(日):叱られて

リュート独奏
■ シェイクスピアの時代の音楽(メドレー)

■ D.Mall(英):John come kiss me  ジョン、キスしにきて

------------  休憩 ----------------

第2部 
■ J.S.バッハ(独):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番
(アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ、シャコンヌ)

アンコール:2曲


もう、完全に没入してバッハの作品に聴き入る。
瑣末なトラブルなんぞビクともしない、深くドッシリとした根、
途切れることのない、あきれるほど強靭な集中力。
途中、頭上を飛行機が通過する爆音でわずか現実に戻されるが、
あとはもう、頭の上から足の爪先まで、すべて「音楽」・・・

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今夜の客席、いつもの半分でちょっと寂しい、
と思うのも開演までで、始まってしまえば、
少数であることの利点のみが、ひしひしと感じ取れます。

はじめに河村氏から、プログラムの解説、
「言葉」から生まれた「歌」がどのように「器楽」に発展したのか、
「言葉」と「音楽」の関係を探る旅、という事のようで、
前半の12世紀から17世紀の「歌」に関連した作品を通過した後、
バッハを聴いてみるわけです。

わたし、見事に、ハマリました。
震えるとか、涙ぐむとか、
そういうのは通り越して、ただ呆然と・・・

最終楽章のシャコンヌが終わって、拍手が起こっても、
手を上げるのもイヤで、
このまま会場を出て、街を歩き回りたい衝動に駆られます。

見透かされていたようで、
「バッハの後、そのまま帰すと交通事故にでも・・・」という計らいで、
アンコールが2曲演奏されました。
あんまり覚えてないけど、「荒城の月」が鳴っていたような・・・

昨夜のペーター・レーゼルといい、今夜の河村・深町デュオといい、
世の中のどこかには、
ピカピカ・フリフリな演奏だけじゃなくて、
どっしりと根を下ろした誠実な音楽が存在するのだという事を信じてもいい
というのは、とても、ありがたい事であると、感謝しつつ、
夜食を求めて六本松方面に、フラフラと・・・